帝國海軍の軽巡洋艦(5) 





夕張
  球磨級軽巡として計画されたが、平賀造船大佐が5,500t級軽巡と同じ戦闘力を3,100t級の小型巡洋艦に塔載するという案を海軍に提出し、認められ為建造された実験艦である。故に同型艦は存在しない。

主砲・魚雷発射管を艦の中心線上に配置することにより、主砲を球磨級と同じ片舷6門を指向し、魚雷も両舷に発射出来るようになった。ただし、完成時には予定より10%も排水量が多くなったため、速力・航続力が低下し、喫水が下がることにより水平防御力も低下することになった。

しかし艦の上部構造物が後方に下がることとなったため、前部煙突を後方に曲げるという処置をとった。これを後部煙突と後流させるデザインとなり、日本海軍独特の艦型となった。これは以後の巡洋艦のスタイルの基本となった。



 
  
夕張の要目 (新造時) (開戦時)
基準排水量 2,890t 3,100t
全長(L) 139.99m
水線長(W.L) 137.16m
最大幅(B) 12.04m
主機 三菱パーソンズ式ギヤードタービン3基3軸
57,900馬力
速力(K.NT) 35.5ノット 32.5ノット
航続力 14ノット/3,310海里
武装 主砲 14p単装砲*2門
14p連装砲*2基4門
魚雷 61p連装発射管*2基
高角砲 8p単装高角砲*2門
機銃 25o連装機銃*2基4門
同型艦 1隻 夕張



(夕張の戦歴)